リウマチ学会WEB開催後の雑感

第65回日本リウマチ学会総会・学術集会が4月26日~28日で開催されました。

SERLAメンバーの多くはリウマチや膠原病を専門にしていますので、この学会は私たちにとって重要な学会です。
当初は会場参加とWEB参加のハイブリッド開催の予定でしたが、コロナウイルス感染の流行状況により、4月に入って急遽WEB開催のみへの切り替えとなりました。

学会は学会自体のプログラムによる発信と学びの場であることはもちろんですが、学会場に集う同じ領域の臨床や研究をする仲間たちとの交流によって、新たな気づきやモチベーションを得るということも大切です。WEB開催ではそういう機会がないことは残念ではありますが、今のコロナ禍の状況ではしかたのないことですね。

シンポジウムでとりあげられたテーマはつぎの22テーマでした。

1:全身性エリテマトーデスの治療
2:免疫関連疾患の遺伝子解析の現状
3:リウマチケアナースの役割と課題
4:リウマチに関する手術の進歩
5:血管炎診療の進歩
6:人工足関節置換術の進歩と課題
7:小児リウマチと移行期医療
8:リウマチ性疾患の臨床試験
9:リウマチの病態の局所メカニズム
10:関節リウマチ治療のアップデート
11:関節リウマチ治療と感染症
12:リウマチの関節手術の変遷と現状
13:強皮症と筋炎の病態と治療
14:リウマチ学における女性医学
15:自己炎症性疾患
16:膠原病疾患におけるエコー検査
17:臨床研究の最新の知見
18:基礎研究の臨床応用について
19:免疫学(自己抗体や免疫寛容)
20:COVID-19関連
21:乾癬性関節炎と強直性脊椎炎の診療
22:免疫関連疾患の研究の進歩

1990年代に海外で、2000年代の初めには日本国内でも関節リウマチに対して生物学的製剤が使用されるようになったことは、炎症を起こす原因の一部分をピンポイントで抑えることによって病気を改善させることができるという“パラダイムシフト(革命的な概念の変化)”を起こしました。
それから約20年、関節リウマチだけでなく様々な疾患に対して特定の分子を標的とした治療の応用が試みられるようになっています。その背景には疾患のメカニズムに関する知見の集積や、遺伝子レベルや分子レベルでの解析技術の進歩があります。さらには臨床研究の手法の向上もあり、大規模なデータを解析し臨床に還元できることになったことも大きく貢献しています。

さて、学会の学びを発信しよう!とWEB視聴からの学びをSERLAメンバーから募りましたが、まだちょっと公開できる状態ではありません。WEB開催では学会のために現地に赴いて専念するわけではなく、多くの場合は日常業務の合間に視聴をするということになるため、学会期間中にはそれほど集中して視聴はできませんでした。ただ、移動が必要ないことや後日でも繰り返し視聴できるということはメリットでもありますね。

シンポジウムのオンデマンド配信が始まる5月14日以降であらためて、医師向けの内容がメインになってしまうとは思いますが、学会の学びを紹介させていただきたいと思います。

SERLAは学びを糧に、免疫・膠原病に関する医療とケアをさらに良くしていきます!

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